2021年5月4日(火)

44番大宝寺到着。
まずベンチの横に荷物置いて納め札を書こうとしてたら「君は歩いてるのか?」って車遍路のおじさんが話しかけてくれた。
「いきなり話しかけてごめんね。息子に雰囲気がすごく似てたから。」って。
高知のおじさんだった。納経帳は真っ赤っ赤。
20周くらい回ってるんだって。
僕に似てる息子さんは大学に行ってたんだけど心の病で落ち込みがちになってたからお父さんが歩き遍路を勧めたんだって。
だから息子さんは徳島の1番霊山寺から歩き遍路を始めたんだって。高知の時は実家に帰ったりして。
だけど40番観自在寺まで打って亡くなったんだって。
くも膜下出血。家族に体調の不調を教えてなかったみたい。
20歳で亡くなったって。
そうやって話してる間も「本当にあいつにそっくりだ。」って言ってた。何回言われたんだろ笑。
でも確かにその息子さんの境遇も僕と似てるんだよ。
お父さんが自営業で、大学で上手くいかなくて精神的に落ち込んでお遍路を始める。そっくり🤔
その真っ赤な納経帳は息子さんの供養なのかも。
もう10数年前のお話。
休みを見つけちゃずっと遍路してるんだろうな。このおじさんは。

そのおじさんはとても良い事を教えてくれました。初めて聞いた考え方。
「何がなんでも一周してやる!なんて思うなよ。答えが見つかったらもう帰ったらいい。それで人生の中でまた大きな悩みが出たら続きから始めたらいいんだよ。」
「無理して歩かなくていいんだぞ。歩かなきゃとか一周しなきゃ功徳が無いなんてことはない。」
「お遍路をしてて、答えを見つけたのにそれでもまだ続けるのはもったいない。」
それともう一つの考え方。
「おじいさんの為に歩いちゃいかんぞ。お父さんやお母さんの為にも歩いちゃいかん。まずは自分の為に歩きなさい。」
これはきっと大切な人のために歩くと無理をしてしまうからでしょう。
「家族のためになんて歩かなくていい。自分の事だけ祈ってくれ。仏様の功徳なんかより無事で帰ってきてほしいんだぞ。」
これ、全部「お父さんはな…」って息子さんに話してる感じだった。涙ぐみながら🥲
40分ぐらい立ち話したかな。
何て声かけていいのかとても悩みましたけどね…
まぁ心に浮かんだ事を伝えました。
息子さんは多分「お父さんもういいよ。これからは好きなことやってね。」って言ってると思いますよって言っといたけど😶
だって20周もやったならもう良いでしょ。善人ほど早く死ぬって言うし。とっくに仏様になってると思うよ。
でもおじさんも20周目でこういう出会いがあったのもお大師様のお導きでもういいよって言うことかもしれんな。って言ってた。
すごい奇妙なご縁だよね。びっくりした。
いよいよお参りです。もうお参り忘れて宿に行きそうになった笑

44番札所 大宝寺
ご本尊はオン・マカ・キャロニキャ・ソワカ×3
お参りしてたらいろんな人に心配された。なんかエライ捕まってたけど大丈夫?って。
大丈夫どころかとっても良い出会いだったよ。
話全然変わるけど44番大宝寺の住職が面白いおじいちゃんだった。
僕が「ご納経お願い致します。」って納経帳出したらなんか褒めてくれた😅
偉い!って。「近頃はご朱印お願い致します。って言う人ばっかりでうんざりだ。遍路を何だと思ってる。」って。
「しっかり88の仏様に願い事を伝えてけよ〜」って言ってた。
これで45番岩屋寺まで10km
今日泊まるいやしの宿八丁坂までは5km
大宝寺を下りたら左に行きます。そうするとそのまま遍路道になってる。

意外と坂だったのでお気をつけください😦

この山で足を2回捻った。
後に残らなかったから本当に良かった。

トンネルの出口に出てきます。

久しぶりに見たな。この人。

いやしの宿八丁坂に到着😊
やっぱ岩屋寺の夜間瞑想体験はもうやってないみたい。
この日はお遍路さんたくさん泊まってたけど誰とも会ってない。多分知り合いのお遍路さんもいたと思うけど。
次の日大雨だからみんな今日中に岩屋寺行ってきたんだって。
僕は次の日にのんびり。

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