これは「お大師さまと衛門三郎」のお話しです。
全部話せるかわからないし、間違いがあるかも知れませんが書いておきます。
お大師さまがこの地を訪れたとき、文殊菩薩の化身である童子と出会います。

童子はお大師さまに「この地には悪徳で豪商の衛門三郎という者がいる。」と伝えます。

お大師さまは早速、衛門三郎の家を訪ねて托鉢をされました。そしたら衛門三郎は家からとび出てきて、お大師さまの鉄鉢を地面に叩きつけて割ってしまいました。
それから毎年、衛門三郎の8人の子供たちが次々と死んでいってしまいました。
お大師さまは例え文殊菩薩のお導きとはいえ、子供たちを不憫に思い八つのお墓を建てられました。
子供たちを亡くした衛門三郎はあの僧侶がお大師さまである事に気づき、嘆き後悔をしてお大師さまに謝るべく自分の家を旅立ちました。
これが四国遍路の始まりと言われています。

衛門三郎はお大師さまの後を追い続け、20周しました。それでもお大師さまに会えないのでアタマを使ったところ逆打ちを思いつきました。
逆打ちを始めてついに12番札所焼山寺にてお大師さまに出会えます。そこで衛門三郎は非礼を詫びて、「生まれ変われたら人の役に立ちたい」と言い残し力尽きてしまいました。
お大師さまは小さい石ころに「衛門三郎」と書いて亡き骸の手に握らせました。
それからしばらくして愛媛県で片手を強く握った赤子が生まれました。開こうとしないので近くのお寺へ連れて行きお坊さんに頼みました。お坊さんが熱心にお祈りしたら赤子の手の中から「衛門三郎」という石ころが出てきました。
そのお寺は現在の51番札所石手寺になります。

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